がん検診の位置づけについて

近年ではがん検診という医療サービスについて、地方自治体が支援する仕組みが数多く講じられています。その多くは補助金と言う形式で行われており、一定の条件を満たす人に対して公費負担をしてがんの早期発見につながる検診を受けることが出来るというものです。この様な仕組みは地方自治体によってその形に若干の違いはあるものの、広く行われるようになっています。この様な健診は普段健康診断を受けることのない主婦などの家庭に入っている女性や自営業者にとっては貴重な健診の機会となります。

またサラリーマンなどの勤め人の場合も定期健康診断では十分ながん検診とはならないため、貴重な健診の機会を得ることが出来るのが特徴となっています。そんながん検診ですが、一般的にはスクリーニング検査と呼ばれる簡易的な検査を行うに留めるケースが殆どです。がん検診の趣旨はより多くの人に対してがんの早期発見の機会を提供することであり、スクリーニング検査により多くの人に検診の機会を提供することに注力しているのです。そのため確定診断を行うことが出来る様な検査ではなく、その可能性を探る検査を行うのが基本です。

そのためがん検診で何らかの所見が出た場合には専門性の高い病院において精密検査を行うことになるでしょう。例えば胃がんの検診ではバリウムを飲んで胃を撮影する胃部X線検査を行いますが、この検査で所見がある場合には胃カメラで精密検査を行います。この様に精密検査の対象者を抽出するという目的を持っているのです。