肺がん検診は、男女共に年齢が40歳を過ぎると年に1回の受診が望ましいとされています。肺がんは死亡率の高いがんで、予防をするためには禁煙が有効です。肺がん検診で行われる有効性が高いことが科学的根拠によって認められているものに、胸部X線検査と喀痰細胞診があります。喀痰細胞診は単独では行わない検査となっており、検査の対象者は喫煙者のみです。
胸部X線検査は肺全体においてX線の撮影を行う検査で、喫煙者の場合には喀痰細胞診と組み合わせて行います。喀痰を採取することによって、気管支のがんより痰に混ざるがん細胞があるかどうかを顕微鏡を使って観察する検査となります。喫煙者の場合に発見されることが多い気管支の扁平上皮がんなどについては、喀痰細胞診によって発見することができます。胸部X線検査と喀痰細胞診による検査で、がんの発見を正しく行える精度は70%ほどとなっています。
肺がん検診では、胸部CT検査を受けることも可能です。CT検査の装置に横になってX線検査を行って、肺全体の写真撮影を連続して行うために、ミリ単位の撮影が可能になります。肺がん検診では、胸部X線検査を受けた人のうちのおよそ3%、喀痰細胞診を受けた人のおよそ1%が精密検査が必要との検査結果が出ます。精密検査としては、胸部CT検査と気管支鏡検査が用いられています。
気管支鏡検査は、気管支鏡を口の中から気管支に挿入することで、病変が疑われる場所を直接的に観察します。必要に応じて細胞の摂取を行って、悪性かどうかの確認が行われます。