最近では胃がんになっても、内視鏡(胃カメラ)で治療が可能になっています。つまり開腹手術せずに治せるということですが、これはごく早い段階の胃がんの話です。胃がんが進行してしまうと、ほとんどの場合開腹手術が必要になります。早期の胃がんでは、胃の内側にしかがん細胞が浸透していません。
しかし、進行するにつれて胃の内側にある粘膜層、さらにその下にある粘膜下組織、固有筋層、漿膜下組織、漿膜、胃の外側、と浸透していきます。なので、やはりがん検診を受けて早めに見つけることが大切です。胃がんの一次検査では、胃X線検査、胃内視鏡検査、ペプシノゲン検査、ヘリコバクターピロリ抗体検査、を行います。胃X線検査はバリウムという白い造影剤を飲んで、機械で体をグルグル回して胃を撮影します。
胃内視鏡検査では、鼻か口のどちらかから胃カメラを入れて撮影します。ペプシノゲン検査では、注射されて血液検査されます。ヘリコバクターピロリ抗体検査も同様に注射による検査で、採血をします。胃がんは進行度と共に助かる確率が減っていきます。
しかも、早期の胃がんは症状がほとんど出ないという特徴があります。胃がんで苦しい思いをしたくないならば、健康なうちに胃がん検診を受けておくべきです。早い段階であれば、内視鏡による粘膜切除手術という手術だけでがん細胞を取り除くことも可能です。がん検診で小さなうちに発見できれば、胃がんは手を打ちやすいがんです。